カウンター
和の灯り
朱(あか)
Material-素材
食
カウンターの材は地松と言う日本の今は希少な材であり、樹齢200年の木である一枚板に鉄板をくりぬいたイメージで作られた。
天板だけでなくサイドの耳と呼ばれる部分も鉋【かんな】で仕上げられており職人のこだわりが詰まった天板である
透し彫り欄間の手元灯
カウンター席に座して目に付くのは、透し彫り欄間。料理人の手元灯としても使用するため、伝統工藝士が造った「透し彫り」と言う技法を利用し透かされた光が客席側へと漏れるような演出を施した。
この型紙和紙は豊臣秀吉時代から続く兵庫県三木城下町の伝統工藝で着物などを染めるための型紙である。
垂れ壁に飾られている手前の高砂松はフランスパリでは1番人気だった。
これらは全て豊臣秀吉の時代から続く未来型紙のオリジナルの柄であり日本らしいこの小紋柄を飾りの明かりとして使用した。
客席に向かい目に入るのは、朱色の名栗(なぐり)のサービスカウンター。
日本伝統工藝"名栗"という技法で作られ漆で仕上げられている“名栗キッチン”という名で2016年パリデザインウィークに出展され、同年京都にてミラノ/パリ デザインウィークに出展された帰国展が行われ最優秀賞と言うアワードを取った作品でもある。
小説家 谷崎潤一郎の"陰影礼讃"では、障子からの光、赤が日本古来の色として書かれている。
入り口扉及び使用時の窓は日本和紙太鼓貼り障子から濾過される美しい光を演出。倉敷の畳屋がつくる紅柄の畳を採用。赤は神戸とんぼのイメージカラーでもある。
外部の壁は京土を使用。
(下地はAICAジョリパッドという日本で40年の技術をもつ水や割れに強い素材)ファサードは一枚板を使った桐を使用。
通常この大きさの扉の無垢板だと重すぎるが桐は軽く桐ダンスなどにも使われている木。
桐ダンスは防火性にも富み、安心感を提供する特徴がある。
扉を開けると京小路をイメージした通路
石は弊社が坪庭に採用していた美しい厚さ50ミリの切石。
職人が手作業で角を押さえた手仕事が伺える。
室内の内壁は全体的に京土で仕上げ、直接触り目にする部分は全体を自然素材で仕上げることにより、空間に落ち着きを与えている床は炭モルタル仕上げ。
炭を豊富に入れ、主張を消した。
茶室イメージの個室
半円の鴨居、枠ではなく京土にて塗りこまれた壁、太鼓貼りの障子は来る客人を優しく迎え入れたいという想いから。
床には漆調仕上げの粋床(すいしょう)と呼ばれる近代床を作る材。
この上に配置される作品が床に写り込み、幻想的に魅せることが出来る。
本格的な茶室に使われる赤杉の床柱、収納には兵庫杉原和紙、正面にはフランス・パリでも人気だった作家の和紙を美術的に採用。
東洋の神秘性を表現したアートな茶室をイメージして作られた。
客人の目の前で「鉄板を使う」という調理方法にこだわりを持った創作料理店。
季節の地場野菜や魚を使い、塩や化学調味料をほぼ使わず素材から出たダシを活かした料理の数々。
松の木のカウンターに似合う器をセレクトし目でも愉しむ。
現状で満足しない向上心と料理への「愛」と「こだわり」